はじめに
婚活がうまくいかない人は、本当に努力不足なのだろうか。
私はそうは思わない。
むしろ婚活で苦しんでいる人ほど、真面目で、努力家で、勉強熱心であることが多い。
マッチングアプリの攻略動画を見る。婚活本を読む。結婚相談所のブログを読み込む。プロフィールを何度も修正する。デートの反省会をする。LINEの送り方を研究する。
しかし、それでも成果が出ない。
なぜだろうか。
その理由は、努力が足りないからではない。
もっと根本的な問題がある。
それは、「何を解決すべきか」が分かっていないことである。
名著『イシューからはじめよ』には、非常に重要な考え方が書かれている。
それは、
「答えを出す前に、まず問いを決めろ」
ということだ。
どれだけ優秀な人が、どれだけ一生懸命考えても、問いそのものが間違っていれば意味がない。
これは婚活でも全く同じである。
例えば、年収400万円で、プロフィール写真も適当で、月に1人しか会っていない人が、「初回デートで女性に好印象を与える会話術」を必死に研究していたとする。
もちろん無意味ではない。
しかし、その人にとって本当に解決すべき問題は会話術なのだろうか。
もしかすると、写真かもしれない。
行動量かもしれない。
出会う場所かもしれない。
あるいは結婚相手に求める条件設定そのものかもしれない。
つまり、多くの人は「解きやすい問題」を解いているのであって、「解くべき問題」を解いていないのである。
婚活市場には情報が溢れている。
モテる会話術。
女性心理。
LINE術。
デート術。
恋愛テクニック。
だが、それらの多くは「解決策」であって、「問題設定」ではない。
本当に成果を出す人は、解決策を探す前に、自分が何に悩んでいるのかを正確に定義する。
だから遠回りをしない。
だから無駄な努力をしない。
だから結果が出る。
私は婚活を、単なる恋愛活動だとは思っていない。
婚活とは、人生最大級の意思決定であり、極めて高度な問題解決活動である。
どんな相手と結婚するのか。
どんな人生を送りたいのか。
何を優先し、何を捨てるのか。
限られた時間と資源の中で、どうすれば最適な意思決定ができるのか。
そこには感情だけではなく、論理も必要になる。
だからこそ婚活は面白い。
そしてだからこそ、婚活にも「イシューからはじめよ」の考え方が有効なのである。
本記事では、婚活を知的活動として捉え直し、「本当に解くべき問題は何か」という視点から、婚活における最適な戦略と考え方を解説していく。
もしあなたが今、頑張っているのに成果が出ないと感じているのであれば、一度立ち止まってほしい。
答えを探す前に、問いを見直してみよう。
婚活が変わるのは、その瞬間からである。
第1章 婚活は恋愛活動ではなく問題解決活動である
婚活が長引く人と、比較的短期間で成果を出す人。
両者を見比べると、外見や年収よりも大きな違いがある。
それは、
婚活をどう捉えているか
である。
婚活が長引く人は、婚活を恋愛活動として捉えている。
一方で成果を出す人は、婚活を問題解決活動として捉えている。
この違いは非常に大きい。
なぜなら、人間は物事の捉え方によって行動が変わるからだ。
例えば恋愛活動として婚活を捉える人は、こう考える。
「運命の人に出会いたい」
「自然な出会いがほしい」
「いつか相性の良い人が現れるはず」
「好きになれる人がいない」
「なんとなく違う気がした」
もちろん気持ちは分かる。
しかし、これらの考え方は極めて受動的である。
そこには改善も検証もない。
結果が出なくても理由が分からない。
だから同じ失敗を何度も繰り返す。
一方で婚活を問題解決活動として捉える人は違う。
彼らはこう考える。
「なぜマッチングしないのか」
「なぜ交際に発展しないのか」
「なぜ2回目のデートにつながらないのか」
「どこがボトルネックなのか」
「何を改善すれば成果が出るのか」
つまり感情ではなく構造を見るのである。
ここに大きな差が生まれる。
例えば営業職を考えてみよう。
営業マンが100件訪問して契約が1件しか取れなかったとする。
優秀な営業マンは、
「なぜだろう」
と考える。
提案内容が悪かったのか。
ターゲットが悪かったのか。
価格が高かったのか。
商談回数が足りなかったのか。
仮説を立てる。
検証する。
改善する。
そして次回に活かす。
だから成長する。
しかし婚活になると、多くの人は突然この思考をやめてしまう。
女性から断られた。
男性からフェードアウトされた。
マッチングしなかった。
すると、
「縁がなかった」
「相性が悪かった」
「仕方ない」
で終わってしまう。
もちろん本当に相性が悪いケースもある。
しかし全てを相性のせいにしてしまうと、改善の余地が消える。
何も学べない。
何も変わらない。
結果として同じ場所を何年もぐるぐる回り続けることになる。
婚活市場は、実は非常に分かりやすい市場である。
残酷なほど結果が数字として現れる。
申し込み数。
マッチング率。
初回デート率。
交際率。
成婚率。
これらはすべて指標である。
つまり婚活にはKPIが存在する。
しかし多くの人は、その数字を見ようとしない。
例えば100人に申し込んで1人しか会えない人がいる。
その場合、本当に考えるべきことは何だろうか。
会話術だろうか。
デートプランだろうか。
違う。
そもそも会うところまで到達していない。
問題はもっと手前にある。
プロフィール写真かもしれない。
プロフィール文かもしれない。
年齢条件かもしれない。
申し込み戦略かもしれない。
つまり、
今どこで詰まっているのか
を把握しなければならない。
ところが多くの人は、ボトルネックを特定せずに努力してしまう。
だから苦しい。
成果が出ない。
まるで穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるようなものだ。
ここで重要になるのがイシュー思考である。
『イシューからはじめよ』では、
「解くべき問題を見極めること」
が最重要だと語られている。
婚活でも全く同じである。
例えば次の二人がいるとする。
Aさんは毎日婚活動画を見ている。
毎日SNSで情報収集している。
毎日恋愛テクニックを勉強している。
しかし行動していない。
Bさんは自分の課題が写真だと判断した。
プロカメラマンに撮影を依頼した。
写真を変えた。
マッチング率が3倍になった。
どちらが成果に近いだろうか。
言うまでもない。
Bさんである。
なぜか。
解くべき問題を正しく見極めたからだ。
努力量ではない。
問題設定の質である。
私は婚活において、
「頑張ること」
そのものにはあまり価値がないと思っている。
価値があるのは、
正しい方向に頑張ること
である。
例えば体重100kgの人が、
「毎日腕立て伏せ100回やっています」
と言ったとする。
素晴らしい努力だ。
しかし婚活の成果を考えるなら、まず食事改善と減量の方が優先順位は高いかもしれない。
また薄毛が進行している人が、
「LINE術を勉強しています」
と言ったとする。
もちろん無駄ではない。
しかし先にAGA治療を始めた方が効果が大きいかもしれない。
年収300万円で結婚相談所に入会している人なら、
副業や転職の方が先かもしれない。
つまり婚活とは、
何をやるか以上に、
何を先にやるかが重要なのである。
さらに言えば、婚活は人生そのものの縮図でもある。
人生で成果を出す人は、
努力の前に課題設定を行う。
経営者もそうだ。
投資家もそうだ。
研究者もそうだ。
優秀なエンジニアもそうだ。
彼らはすぐに解決策へ飛びつかない。
まず問題を定義する。
何が本質なのか。
何が成果を左右するのか。
どこにレバレッジポイントがあるのか。
それを考える。
婚活も同じだ。
会話術を学ぶ前に、
本当に会話術が問題なのかを考える。
ファッションを変える前に、
本当に服装が問題なのかを考える。
相談所を変える前に、
本当に相談所が問題なのかを考える。
この順番が重要である。
婚活は感情の世界だと思われがちである。
しかし実際には、極めて論理的な世界でもある。
市場があり、
需要があり、
供給があり、
競争があり、
意思決定がある。
だからこそ感情だけで戦うと苦しくなる。
逆に言えば、問題解決活動として婚活を捉えられるようになると、一気に楽になる。
断られても分析できる。
失敗しても学べる。
成果が出なくても改善できる。
婚活が単なる消耗戦ではなくなる。
成長のプロセスになる。
そして、その第一歩が、
婚活を恋愛活動ではなく問題解決活動として捉えること
なのである。
婚活も「イシューからはじめよ」。
全てはそこから始まる。
第2章 99%の人は「間違った問題」を解いている
婚活で成果が出ない人には、ある共通点がある。
それは、
一生懸命に間違った問題を解いている
ということだ。
これは非常に残酷な話である。
なぜなら、努力不足の方がまだ救いがあるからだ。
努力不足なら頑張ればいい。
行動不足なら動けばいい。
しかし問題設定を間違えている場合、どれだけ頑張っても成果は出ない。
むしろ頑張るほど遠回りになる。
婚活で疲弊している人の多くは、実はここに陥っている。
例えば婚活男性によくあるケースを考えてみよう。
彼は毎日YouTubeで婚活動画を見ている。
女性心理について学んでいる。
LINE術を研究している。
デートで盛り上がる話題を暗記している。
しかしマッチングしない。
そもそも女性と会えていない。
この場合、本当の問題は何だろうか。
LINEだろうか。
会話術だろうか。
女性心理だろうか。
違う。
会う前の段階で負けているのである。
プロフィール写真かもしれない。
プロフィール文かもしれない。
年齢条件かもしれない。
活動媒体かもしれない。
つまり、
会話術を勉強すること自体が間違った問題
なのである。
これは受験勉強で例えると分かりやすい。
数学で30点しか取れない人が、
「東大数学の解法テクニック」
を勉強しているようなものだ。
その前にやるべきことがある。
基礎問題集かもしれない。
計算力強化かもしれない。
公式の理解かもしれない。
順番が違う。
婚活でも同じである。
多くの人は、
「解きやすい問題」
を解こうとする。
しかし成果を生むのは、
「解くべき問題」
である。
ここを混同すると悲劇が起こる。
例えばプロフィール写真。
婚活市場において写真の重要性は極めて高い。
マッチングアプリでも結婚相談所でも同じだ。
ところが写真を改善するのは意外と面倒である。
撮影予約。
美容院。
服装準備。
撮影費用。
心理的ハードルも高い。
だから後回しにされる。
一方で婚活動画を見るのは簡単だ。
家でできる。
お金もかからない。
楽しい。
だから皆そちらへ流れる。
しかし成果に直結するのはどちらか。
言うまでもない。
写真である。
つまり人間は、
重要なことよりも簡単なことをやりたがる。
だから成果が出ない。
婚活業界には大量の情報がある。
そしてその情報の大半は、
「解決策」
である。
問題設定ではない。
例えば、
・女性に好かれるLINE術
・初回デート成功法
・脈ありサイン
・女性心理
・恋愛テクニック
・会話ネタ100選
これらは全て解決策だ。
もちろん役に立つこともある。
しかし、
「そもそも何が問題なのか」
が分からない状態で解決策を集めても意味がない。
風邪か骨折か分からない状態で薬を飲み続けるようなものだ。
まず診断が必要である。
ここで一つ、婚活でよくある勘違いを紹介したい。
それは、
「自分の弱点が問題だ」
という思い込みである。
実はそうではない。
問題とは、
成果を最も大きく左右している要素のことである。
例えばある男性がいる。
年収700万円。
大手企業勤務。
性格も真面目。
会話も普通。
しかし身長165cm。
彼は身長を気にしている。
毎日悩んでいる。
だが実際には毎月3人しか申し込みをしていない。
この場合、本当の問題は身長だろうか。
違う。
行動量である。
仮に月3人を30人に増やせば結果は変わるかもしれない。
つまり本人が気にしている問題と、本当に解くべき問題は別なのである。
ここが難しい。
人間は主観で考える。
しかし成果は客観で決まる。
だから分析が必要になる。
さらに厄介なのは、
婚活では「努力している感」が得られる活動が大量に存在することだ。
例えば自己分析。
自己分析そのものは悪くない。
しかし婚活において自己分析ばかりしている人がいる。
ノートを書く。
価値観を整理する。
理想像を考える。
過去を振り返る。
もちろん意味はある。
しかし半年や一年も続けるものではない。
多くの場合、
自己分析をしているのではなく、
行動から逃げているだけである。
なぜなら自己分析には傷つくリスクがないからだ。
申し込みもない。
お断りもない。
失敗もない。
安全地帯である。
しかし婚活は現場でしか進まない。
プロフィールを出す。
申し込む。
会う。
断られる。
改善する。
これを繰り返さなければ何も変わらない。
『イシューからはじめよ』では、
「解く価値のある問題に集中せよ」
という考え方が繰り返し登場する。
婚活も全く同じだ。
例えば婚活男性にとって、
成果への影響が大きい要素を考えてみよう。
写真。
外見。
年齢。
年収。
活動量。
プロフィール。
出会いの母数。
これらは非常に影響が大きい。
一方で、
LINEスタンプの選び方。
絵文字の数。
初回デートの店選び。
話題の順番。
こうした要素は影響がゼロではないが、前者ほどではない。
ところが多くの人は後者に時間を使う。
なぜか。
簡単だからである。
しかし成果を出す人は違う。
難しくても重要な問題に向き合う。
ダイエットする。
筋トレする。
美容医療を受ける。
写真を撮り直す。
転職する。
副業する。
相談所を変える。
出会いの数を増やす。
つまり、
痛みを伴う本質課題に向き合う。
だから成果が出る。
婚活で重要なのは、
「頑張っているか」
ではない。
「何に頑張っているか」
である。
ここを履き違えると危険だ。
一生懸命LINEを研究しても意味がないかもしれない。
毎日婚活動画を見ても意味がないかもしれない。
恋愛心理学を勉強しても意味がないかもしれない。
なぜなら問題がそこにないからだ。
逆に言えば、
本当の問題さえ見つけられれば状況は一変する。
写真が問題なら写真を変える。
体型が問題なら痩せる。
行動量が問題なら増やす。
市場選択が問題なら変える。
すると驚くほど成果が変わる。
婚活が苦しい理由の一つは、
頑張っているのに成果が出ないことだ。
しかしその原因は能力不足ではない。
魅力不足でもない。
努力不足でもない。
単純に、
間違った問題を解いているだけ
かもしれない。
だからまず考えてほしい。
今あなたが毎日やっていることは、
本当に成果を左右する問題なのだろうか。
それとも単に解きやすい問題なのだろうか。
婚活で人生を変える人は、
解きやすい問題ではなく、
解くべき問題に向き合う。
そしてその瞬間から、婚活は劇的に変わり始めるのである。
第3章 あなたの婚活のボトルネックはどこにあるのか
前章では、多くの人が「間違った問題」を解いているという話をした。
では次に考えるべきことは何か。
それは、
あなたの婚活における本当のボトルネックは何なのか
である。
婚活がうまくいかない理由は人によって違う。
にもかかわらず、多くの人は他人の成功法則を真似しようとする。
マッチングアプリで成功した人の話を聞く。
結婚相談所で成婚した人の話を聞く。
恋愛系YouTuberの動画を見る。
しかし、それで成果が出るとは限らない。
なぜなら、
問題が違うから
である。
風邪の人と骨折した人に同じ薬を出しても意味がない。
営業不振の会社と人手不足の会社では打ち手が違う。
婚活も同じだ。
まず診断が必要なのである。
婚活において最も危険なのは、
「全部改善しようとすること」
である。
髪型も。
服装も。
会話も。
年収も。
ダイエットも。
マインドも。
プロフィールも。
写真も。
デートも。
全部やろうとする。
すると何が起こるか。
何も終わらない。
なぜなら人間の時間も体力も有限だからだ。
本当に成果を出す人は、
全部を改善しようとしない。
最も大きなボトルネックを見つける。
そこに集中する。
だから成果が出る。
これは経営でも同じである。
売上が伸びない会社があったとする。
原因は100個あるかもしれない。
しかし実際に売上を止めている最大要因は1つか2つであることが多い。
そこを改善すると一気に状況が変わる。
婚活も同じだ。
まず最初に理解してほしい。
婚活のボトルネックには種類がある。
大きく分けると、
①出会い不足
②外見不足
③市場選択ミス
④行動不足
⑤条件設定ミス
⑥コミュニケーション不足
の6つである。
そして多くの人は、
自分のボトルネックを誤認している。
ここが問題なのである。
最も多いのが、
出会い不足をコミュ力の問題だと思い込むケース
である。
例えばマッチングアプリで全然会えない男性がいる。
月に1人しか会えない。
しかし本人は、
「会話力を磨かなきゃ」
と思っている。
おかしい。
そもそも会えていない。
会話力が問題なら会った後に失敗するはずだ。
しかし会う前に負けている。
つまり問題はプロフィール写真かもしれない。
プロフィール文かもしれない。
年齢かもしれない。
活動場所かもしれない。
ここで会話術を学んでも成果は変わらない。
ボトルネックが違うからだ。
逆に、
会うまでは順調なのに交際につながらない人もいる。
この場合は話が変わる。
毎月5人会える。
しかし全員に断られる。
このケースでは、
コミュニケーションやデート設計に問題がある可能性が高い。
つまり、
同じ「婚活がうまくいかない」でも、
原因は全く違うのである。
ところが多くの人は、
ここを区別せずに一括りにしてしまう。
だから改善できない。
次に多いのが、
外見不足を運の問題だと思い込むケース
である。
これは非常に多い。
特に男性に多い。
婚活市場では、
「清潔感」
という言葉がよく使われる。
しかし実際には清潔感という言葉で多くのものが誤魔化されている。
髪型。
肌。
歯。
体型。
服装。
姿勢。
表情。
これらの総合点が外見である。
ところが本人は、
「縁がない」
「良い人がいない」
「タイミングが悪い」
と言う。
もちろん運の要素はある。
しかし、本当にそうだろうか。
例えば婚活写真を見てみる。
スーツがヨレヨレ。
眉毛未処理。
髪型は学生時代から同じ。
笑顔がない。
この状態でマッチングしないのは運なのだろうか。
違う。
外見改善というボトルネックが放置されているだけである。
ここを改善すると一気に世界が変わることがある。
さらに多いのが、
市場選択ミス
である。
これは意外と見落とされる。
例えば35歳男性がいる。
年収600万円。
真面目。
結婚願望も強い。
しかしマッチングアプリだけを使っている。
半年やって成果が出ない。
この場合、
本人はプロフィール改善を考える。
写真改善を考える。
会話改善を考える。
しかし本当の問題は、
市場そのものかもしれない。
結婚相談所の方が向いている可能性もある。
婚活パーティの方が向いている可能性もある。
友人紹介の方が向いている可能性もある。
つまり戦う場所を間違えているのである。
戦略論でいうなら、
戦術以前の問題だ。
砂漠で釣りを頑張っているようなものである。
まず場所を変えろという話になる。
そして意外と多いのが、
行動不足
である。
これは耳が痛い人も多いだろう。
しかし事実だ。
婚活相談を受けていると、
「成果が出ません」
と言う人がいる。
話を聞く。
すると、
月に申し込み5件。
月に1回デート。
相談所の活動は週1回。
こういうケースがある。
正直に言えば、
それでは足りない。
もちろん人による。
だが婚活市場は確率ゲームの側面も持っている。
一定量の試行回数は必要である。
野球で言えば、
打席に立たずに打率は上がらない。
営業で言えば、
商談せずに契約は取れない。
婚活も同じだ。
どれだけ優秀でも、
母数が少なければ成果は出にくい。
つまり問題は能力ではなく行動量なのである。
ここまで読んで、
「自分のボトルネックは何だろう」
と思った人もいるだろう。
その時に役立つ質問がある。
それは、
どこで数字が止まっているか
である。
例えば、
申し込み→マッチング→初回デート→2回目デート→交際→成婚
という流れがある。
どこで止まっているのか。
マッチングしないのか。
会えないのか。
2回目につながらないのか。
交際にならないのか。
ここを見る。
すると問題が見えてくる。
逆に、
数字を見ない人は永遠に迷う。
なぜなら感覚で考えるからだ。
感覚はしばしば間違う。
データは嘘をつかない。
『イシューからはじめよ』では、
「本当に答えを出すべき問いを見極めること」
が最重要だと語られる。
婚活も全く同じである。
そしてその第一歩が、
ボトルネックの特定である。
髪型かもしれない。
写真かもしれない。
市場選択かもしれない。
行動量かもしれない。
条件設定かもしれない。
コミュニケーションかもしれない。
しかし全部ではない。
まずは一番大きな問題を見つける。
そこに集中する。
すると驚くほど成果は変わる。
婚活が苦しいのは、
能力が足りないからではない。
魅力がないからでもない。
努力が足りないからでもない。
単に、
本当のボトルネックを見つけられていないだけ
なのかもしれない。
だから次に婚活について悩んだときは、
「どう頑張るか」
ではなく、
「どこが詰まっているのか」
を考えてほしい。
婚活もまた、問題解決活動なのである。
第4章 婚活市場を正しく理解する
婚活で苦しむ人の多くは、努力不足ではない。
市場理解不足である。
この話をすると、不快に感じる人もいるかもしれない。
「人を市場で語るな」
「恋愛を数字で考えるな」
「愛はそんなものじゃない」
そう思う人もいるだろう。
その気持ちは分かる。
しかし現実問題として、婚活市場には市場原理が存在する。
そして、その市場原理を無視した人から順番に苦しくなる。
これは残酷だが事実である。
だからこそ本章では、あえて厳しい話をしたい。
婚活において成果を出したいのであれば、まず市場を理解しなければならない。
戦う前に戦場を理解する。
これは戦略の基本だからである。
考えてみてほしい。
もしあなたが株式投資をするとする。
企業分析をしないだろうか。
業界分析をしないだろうか。
財務諸表を見ないだろうか。
何も調べずにお金を突っ込む人はいない。
起業する場合も同じだ。
市場規模を見る。
競合を見る。
顧客ニーズを見る。
当たり前である。
しかし婚活になると、多くの人は突然これをやめる。
市場を見ない。
現実を見ない。
競争環境を見ない。
その結果、
「こんなはずじゃなかった」
となる。
まず理解すべきなのは、
婚活市場には需要と供給が存在するということだ。
これは好き嫌いの話ではない。
構造の話である。
例えば30歳女性と40歳女性。
一般論として、婚活市場では30歳女性の方が人気が高い。
これは人格の優劣ではない。
市場構造の話だ。
また、
年収800万円男性と年収300万円男性。
一般論として前者の方が人気が高い。
これも人間性の話ではない。
市場評価の話である。
ここを混同してはいけない。
婚活市場で評価されにくいからといって、人間として価値が低いわけではない。
しかし婚活市場において有利不利は存在する。
そしてその事実を受け入れられない人ほど苦しむ。
婚活で成果を出す人には共通点がある。
それは、
現実を現実として受け入れる
ことである。
例えば身長165cmの男性がいる。
彼は身長を伸ばせない。
もう大人だからだ。
そこでどう考えるか。
成果が出ない人は、
「身長なんて関係ない」
と言い続ける。
市場を否定する。
怒る。
不満を言う。
しかし成果を出す人は違う。
「身長では不利かもしれない」
「なら他で補おう」
と考える。
服装。
年収。
会話。
清潔感。
写真。
市場理解があるから対策が打てる。
現実逃避をしない。
ここが大きい。
婚活市場でよく見られる失敗の一つに、
市場価値の誤認がある。
特に男女ともに起こる。
例えば男性。
35歳。
年収450万円。
普通体型。
婚活経験なし。
しかし希望条件は、
25歳。
美人。
共働き希望。
家事能力高め。
性格良好。
当然ながら難しい。
逆に女性でも同じである。
38歳。
結婚歴なし。
しかし、
35歳以下。
年収1000万円以上。
高身長。
イケメン。
家事育児積極参加。
こうした条件を求めるケースがある。
もちろん自由である。
条件を持つこと自体は悪くない。
しかし問題は、
市場との整合性である。
需要と供給が一致していない。
だから苦しくなる。
ここで重要なのは、
高望みするなという話ではない。
本当に言いたいのは、
市場を理解した上で戦略を立てろ
ということだ。
例えば転職市場を考えてみよう。
未経験で年収2000万円の求人はほぼない。
だから多くの人は、
まず経験を積む。
スキルを身につける。
市場価値を高める。
その上で年収を上げる。
婚活も同じである。
希望条件を下げるだけが答えではない。
自分の市場価値を上げるという選択肢もある。
痩せる。
髪を整える。
歯を治療する。
写真を撮り直す。
年収を上げる。
コミュニケーションを改善する。
つまり、
市場に文句を言うより、
市場で評価される努力をした方が早いのである。
婚活市場を理解する上で、もう一つ重要な概念がある。
それは、
希少性
である。
市場価値とは希少性のことだ。
例えば年収1000万円。
日本全体では少数派である。
だから価値が生まれる。
また、
容姿が整っている人。
コミュニケーション能力が高い人。
精神的に安定している人。
家事能力が高い人。
これらも希少性である。
つまり婚活市場とは、
「どれだけ希少価値を持てるか」
のゲームでもある。
ところが多くの人は、
皆と同じことをしている。
同じ服装。
同じプロフィール。
同じ趣味。
同じアピール。
すると埋もれる。
市場では差別化が必要になる。
さらに重要なのは、
婚活市場には時間という概念が存在することだ。
これは非常に大きい。
例えば株式投資なら待てる。
10年待つこともできる。
しかし婚活は違う。
年齢という変数が存在する。
1年後。
3年後。
5年後。
市場環境は変化する。
だから婚活にはタイムリミットがある。
もちろん何歳でも結婚は可能だ。
しかし難易度は変わる。
これは事実である。
だからこそ、
「そのうちやる」
は危険なのである。
婚活を先送りするコストは非常に大きい。
婚活で苦しむ人の多くは、
自分自身ばかり見ている。
しかし成果を出す人は市場を見る。
競争環境を見る。
需要を見る。
供給を見る。
ポジショニングを見る。
だから意思決定が正確になる。
例えば、
「今はマッチングアプリではなく相談所がいい」
「まず写真改善が先」
「条件設定を見直そう」
という判断ができる。
これは市場を理解しているからだ。
『イシューからはじめよ』の考え方で言えば、
市場理解は極めて重要な前提条件である。
なぜなら、
市場を理解しなければ正しい問題設定ができないからだ。
どれだけ優秀でも、
どれだけ努力しても、
戦場を間違えれば勝てない。
どれだけ強い軍隊でも、
地図なしでは戦えない。
婚活も同じである。
まず市場を見る。
現実を見る。
需要と供給を見る。
そして、
自分はどこで勝負するべきなのかを考える。
その瞬間から婚活は、
感情論ではなく戦略論になる。
そして戦略が生まれた時、人はようやく成果に近づくのである。
第5章 「犬の道」を歩くな
『イシューからはじめよ』という本の中で、非常に有名な言葉がある。
それが、
「犬の道」
である。
簡単に言えば、
「頑張っているのに成果につながらない道」
のことだ。
著者は、価値のない問題に対して膨大な努力を注ぎ込む行為を「犬の道」と呼んだ。
これは婚活においても驚くほど当てはまる。
むしろ婚活ほど犬の道に入りやすい分野はないかもしれない。
なぜなら婚活には、
努力している気になれる活動
が大量に存在するからだ。
そして多くの人は、知らず知らずのうちに犬の道を歩いている。
例えば婚活男性によくあるケースを考えてみよう。
毎日YouTubeを見る。
恋愛心理学を学ぶ。
モテる会話術を学ぶ。
女性心理を学ぶ。
LINE術を学ぶ。
婚活本を読む。
婚活ブログを読む。
SNSで婚活アカウントをフォローする。
一見すると非常に熱心である。
意識も高い。
努力している。
しかし半年後も何も変わっていない。
なぜか。
行動していないからだ。
もっと言えば、
成果につながる行動をしていないからだ。
つまり犬の道である。
犬の道の恐ろしいところは、
本人が努力している自覚を持ててしまうことだ。
例えばダイエット。
本当に痩せるためには、
食事管理をする。
運動をする。
睡眠を整える。
これしかない。
しかし人間はもっと楽なことをしたがる。
ダイエット動画を見る。
ダイエット本を買う。
ダイエットグッズを調べる。
ダイエット理論を学ぶ。
これらは全部、
「痩せるための行動」
ではなく、
「痩せるための勉強」
である。
婚活も同じだ。
プロフィール写真を変える方が重要なのに、
写真撮影についての記事を読み続ける。
申し込みを増やす方が重要なのに、
恋愛心理学ばかり勉強する。
デートへ行く方が重要なのに、
デート動画ばかり見る。
こうして時間だけが過ぎていく。
実は婚活業界そのものが、
犬の道を量産しやすい構造になっている。
なぜか。
情報商材化しやすいからである。
考えてみてほしい。
「痩せるには食事管理して運動してください」
では動画にならない。
面白くない。
再生数も伸びない。
しかし、
「女性が無意識に惚れるLINE術7選」
なら伸びる。
「初回デートで絶対にやってはいけないNG行動」
なら見られる。
「女性が本能的に惹かれる男性の特徴」
ならクリックされる。
つまり、
重要な情報ではなく、
面白い情報が流通する。
その結果、
婚活者は本質からどんどん遠ざかる。
特に危険なのが、
情報収集依存である。
婚活が長引く人ほど情報量が増える。
恋愛本を10冊読む。
婚活本を20冊読む。
動画を100本見る。
ブログを500記事読む。
しかし成果は出ない。
なぜか。
インプットが目的化しているからだ。
本来、
知識とは行動を変えるために存在する。
しかし多くの人は、
知識を集めること自体が快感になっている。
これは受験でもよくある。
参考書オタクである。
参考書は大量に持っている。
しかし問題集は解いていない。
成績も上がらない。
婚活も全く同じだ。
知識では結婚できない。
行動しなければ結婚できない。
次に多い犬の道が、
自己分析依存である。
自己分析そのものは悪くない。
むしろ必要だ。
しかし婚活では、
自己分析をやりすぎる人がいる。
自分の価値観。
理想の結婚。
人生の目的。
過去の恋愛。
強み。
弱み。
毎日ノートを書く。
何か月も考える。
しかし申し込みはしていない。
誰とも会っていない。
これは完全に犬の道である。
なぜなら、
婚活における最大の情報源は現場だからだ。
実際に会う。
実際に話す。
実際に断られる。
実際に交際する。
そこからしか得られない情報がある。
ところが自己分析ばかりしている人は、
頭の中で婚活をしている。
現実の婚活をしていない。
だから進まない。
さらに厄介なのが、
完璧主義という犬の道である。
婚活で成果が出ない人ほど、
準備を完璧にしようとする。
もっと痩せてから。
もっと年収を上げてから。
もっと会話力をつけてから。
もっと自信がついてから。
もっと良い写真が撮れてから。
もっと準備が整ってから。
そして気づけば一年経っている。
二年経っている。
三年経っている。
婚活市場において最も高価なコストは、
時間である。
だから完璧主義は危険なのだ。
70点でいい。
80点でいい。
まず出る。
まず会う。
まず試す。
そして改善する。
これが正しい。
では逆に、
犬の道ではない努力とは何だろうか。
それは、
成果に直結する努力である。
例えば写真撮影。
これは犬の道ではない。
なぜならマッチング率に直結するからだ。
体型改善もそうだ。
髪型改善もそうだ。
申し込み数を増やすこともそうだ。
出会いの母数を増やすこともそうだ。
婚活ログを付けることもそうだ。
つまり、
成果との距離が近い行動である。
成果が変わる行動である。
ここに時間を使うべきなのだ。
ここで一つ覚えておいてほしい考え方がある。
それは、
「努力の量ではなく、成果との距離を見る」
ということだ。
婚活者はしばしば、
「私はこんなに頑張っている」
と言う。
しかし重要なのはそこではない。
その努力は成果に近いのか。
それとも遠いのか。
例えば1時間使うとする。
婚活動画を見る1時間。
写真撮影を予約する1時間。
どちらが成果に近いだろうか。
後者である。
つまり時間の価値が違う。
婚活とは、
時間配分のゲームでもあるのだ。
『イシューからはじめよ』では、
価値のある問題に集中することの重要性が繰り返し語られる。
婚活も同じである。
成果を出す人は、
犬の道を歩かない。
やるべきことをやる。
重要なことをやる。
難しくても本質課題に向き合う。
だから成果が出る。
一方で成果が出ない人は、
簡単なことばかりやる。
楽しいことばかりやる。
勉強ばかりする。
分析ばかりする。
準備ばかりする。
そして疲弊する。
もし今あなたが婚活で苦しんでいるなら、一度自分に問いかけてみてほしい。
その努力は本当に成果につながっているだろうか。
それとも努力している気になれるだけだろうか。
その情報収集は本当に必要だろうか。
それとも行動から逃げているだけだろうか。
その自己分析は本当に価値があるだろうか。
それとも傷つかない場所にいるだけだろうか。
婚活において最も危険なのは、
失敗ではない。
犬の道を何年も歩き続けることである。
だからこそ大切なのは、
努力することではなく、
正しい努力をすること。
婚活もまた、
イシューから始めるべき知的活動なのである。
第6章 仮説を立てて婚活せよ
婚活が長引く人には、ある共通点がある。
それは、
勘で動いている
ということだ。
なんとなく申し込む。
なんとなく会う。
なんとなく断る。
なんとなく続ける。
なんとなく辞める。
そして結果が出ない。
すると落ち込む。
自信を失う。
婚活が嫌になる。
しかし冷静に考えてほしい。
これだけ人生において重要な意思決定を、
「なんとなく」
で進めて良いのだろうか。
私はそうは思わない。
婚活はもっと知的に進めることができる。
そのために必要なのが、
仮説思考
である。
『イシューからはじめよ』に限らず、優秀な経営者や研究者やコンサルタントには共通点がある。
彼らはまず仮説を立てる。
いきなり答えを探しに行かない。
まず、
「おそらくこうなのではないか」
という見立てを持つ。
そして検証する。
修正する。
また検証する。
この繰り返しで精度を上げていく。
婚活も全く同じである。
しかし多くの人は逆をやっている。
仮説がない。
戦略がない。
目的も曖昧。
だから全てが運任せになる。
例えば、
「マッチングしない」
という問題が起きたとする。
ここで普通の人は悩む。
落ち込む。
運が悪いと思う。
しかし仮説思考の人は違う。
まず考える。
なぜだろう。
写真かもしれない。
プロフィール文かもしれない。
年齢条件かもしれない。
申し込み対象かもしれない。
活動媒体かもしれない。
仮説を立てる。
そして検証する。
例えば写真を変える。
一か月様子を見る。
マッチング率が上がった。
なら原因は写真だった可能性が高い。
逆に変わらなかった。
なら別の要因かもしれない。
こうして問題を特定していく。
婚活で成果を出す人は、
実は恋愛が上手い人ではない。
検証が上手い人である。
例えばある男性がいる。
彼は三か月間活動していた。
しかし全く成果が出ない。
普通なら、
「自分には魅力がないんだ」
と考える。
しかし彼は違った。
婚活ログを見返した。
すると気づいた。
申し込みのほとんどが20代女性だった。
自分は38歳だった。
そこで仮説を立てた。
「対象年齢を少し広げれば結果が変わるのではないか」
実行した。
結果、マッチング率が上がった。
このケースで重要なのは、
落ち込まなかったことではない。
分析したことである。
婚活では感情が邪魔をする。
断られる。
既読無視される。
交際終了になる。
当然傷つく。
人間だから当たり前だ。
しかしそこで、
「自分はダメなんだ」
と結論づけるのは早い。
本当にそうなのだろうか。
例えば営業を考えてみる。
100件営業して10件契約が取れる営業マンがいたとする。
90件は断られている。
しかし彼は落ち込まない。
なぜなら確率を理解しているからだ。
婚活も同じである。
一人に断られた。
二人に断られた。
だから価値がない。
そんなことは全く言えない。
重要なのは、
なぜ断られたのか。
そこに再現性はあるのか。
改善可能なのか。
ということである。
ここで重要なのが、
婚活ログである。
正直に言えば、
婚活している人の9割は記録を取っていない。
これは非常にもったいない。
なぜなら、
記録がないと改善できないからだ。
例えば、
・誰に申し込んだか
・なぜ申し込んだか
・結果はどうだったか
・初回デートの印象
・相手の反応
・良かった点
・改善点
これらを記録する。
するとデータが蓄積される。
そしてパターンが見える。
例えば、
毎回同じところで失敗している人がいる。
初回デートはうまくいく。
しかし二回目につながらない。
毎回である。
この場合、
問題はプロフィールではない。
写真でもない。
会うところまでは成功している。
つまり問題は、
初回デートの内容にある可能性が高い。
ここで初めて、
会話や振る舞いを改善する価値が出てくる。
しかしログがない人は、
これに気づかない。
毎回同じ失敗を繰り返す。
さらに重要なのは、
婚活を実験として捉えることである。
多くの人は、
一回一回の結果に感情を持っていかれる。
しかし仮説思考の人は違う。
実験だと思っている。
例えばプロフィール写真。
Aパターン。
Bパターン。
どちらが良いのか。
試してみる。
例えばプロフィール文。
趣味を前面に出す。
仕事を前面に出す。
どちらが反応が良いか。
試してみる。
つまり、
感覚ではなくデータで判断する。
この姿勢が非常に重要である。
優秀な研究者は、
失敗を失敗だと思わない。
データだと思う。
実験結果だと思う。
婚活も同じだ。
交際終了。
お断り。
マッチングしない。
これらは全てデータである。
もちろん悲しい。
悔しい。
傷つく。
しかし感情だけで終わらせるのはもったいない。
そこには必ず学びがある。
改善のヒントがある。
特に婚活男性に多いのが、
成功事例を真似しすぎることである。
YouTubeで見る。
SNSで見る。
ブログで見る。
「こうすればうまくいく」
という情報を集める。
しかし本当に重要なのは、
他人の成功法則ではない。
自分の成功法則である。
なぜなら人によって条件が違うからだ。
年齢も違う。
外見も違う。
年収も違う。
性格も違う。
市場も違う。
だから自分で検証しなければならない。
ここで一つ覚えておいてほしい。
婚活とは、
正解を探すゲームではない。
仮説の精度を上げるゲームである。
最初から正解が分かる人などいない。
どんな人が合うのか。
どんな場所が合うのか。
どんなアプローチが合うのか。
最初は分からない。
だから試す。
学ぶ。
修正する。
その繰り返しである。
『イシューからはじめよ』の本質は、
良い問いを立てることにある。
しかし良い問いを立てた後には、
仮説が必要になる。
そして仮説の後には検証が必要になる。
婚活も同じだ。
ボトルネックを見つける。
仮説を立てる。
行動する。
結果を見る。
改善する。
また行動する。
このサイクルを回す。
すると婚活は劇的に変わる。
婚活が苦しい人ほど、
結果に一喜一憂している。
しかし成果を出す人は違う。
一回の結果ではなく、
改善サイクルを見る。
一回のお断りではなく、
学習量を見る。
一回の失敗ではなく、
仮説の精度向上を見る。
だから折れない。
だから成長する。
だから最終的に成果が出る。
婚活とは運命探しではない。
婚活とは自己改善の旅でもない。
婚活とは、
仮説と検証を繰り返しながら最適解へ近づいていく知的活動なのである。
第7章 婚活における「解く価値のある問題」
ここまで、
婚活は問題解決活動である
間違った問題を解いてはいけない
ボトルネックを見つけるべきである
市場を理解するべきである
犬の道を避けるべきである
仮説と検証を回すべきである
という話をしてきた。
では次の問いが生まれる。
「結局、婚活で本当に解く価値のある問題とは何なのか?」
である。
これは非常に重要な問いだ。
なぜなら人生には時間の制約があるからである。
婚活にも時間の制約がある。
誰もが一日24時間しかない。
使えるお金も有限である。
体力も有限である。
だからこそ、
何をやるか以上に、
何をやらないか
が重要になる。
婚活で成果を出す人は、
解く価値のある問題に集中する。
成果が出ない人は、
解く価値の低い問題に時間を使う。
この差は想像以上に大きい。
まず結論から言おう。
婚活において解く価値が大きい問題は、
驚くほど少ない。
本当に少ない。
多くても5〜10個程度である。
しかしその数個が、
婚活成果の大部分を決定している。
つまり婚活にも、
いわゆる80対20の法則が存在する。
成果の80%は、
重要な20%の要素によって決まる。
だからそこに集中しなければならない。
最初に挙げたいのが、
外見改善
である。
身も蓋もない話だが、
婚活市場において外見は極めて重要である。
もちろん人間は中身が大事だ。
優しさも大事だ。
誠実さも大事だ。
価値観も大事だ。
しかし、
会う前に中身は見えない。
これは残酷な現実である。
プロフィール写真を見た段階では、
性格も誠実さも分からない。
見えるのは外見だけだ。
だから外見改善はレバレッジが大きい。
ここでいう外見改善とは、
イケメンになることではない。
多くの男性が誤解している。
婚活市場で必要なのは、
芸能人レベルの顔面ではない。
必要なのは、
減点を減らすことである。
髪型。
眉毛。
肌。
歯。
体型。
服装。
姿勢。
表情。
これらを整える。
すると市場評価は大きく変わる。
実際、多くの男性はここを甘く見ている。
そしてLINE術に走る。
会話術に走る。
心理学に走る。
順番が逆なのである。
次に重要なのが、
プロフィール写真
である。
正直に言えば、
婚活における費用対効果で考えるなら、
プロ写真撮影は最強クラスの投資である。
なぜか。
全ての出会いの入口だからだ。
どれだけ会話が上手くても、
どれだけ優しくても、
どれだけ誠実でも、
会えなければ意味がない。
写真は会うためのチケットである。
ところが多くの人は、
数万円の撮影代をケチる。
その一方で、
成果が出ないまま一年を失う。
これは非常にもったいない。
三つ目は、
出会いの母数
である。
婚活で苦しむ人の中には、
母数不足の人が非常に多い。
月に一人しか会わない。
月に二人しか申し込まない。
三か月で五人しか会っていない。
それで成果が出ないと悩む。
しかし考えてほしい。
営業ならどうだろう。
月に二件しか商談しない営業マンが、
契約取れないと悩んでいたらどう思うだろうか。
まず件数を増やそうとなるはずだ。
婚活も同じである。
もちろん量だけでは駄目だ。
しかし一定の量は必要である。
ここを無視してはいけない。
四つ目は、
市場選択
である。
これは想像以上に重要だ。
婚活アプリ。
結婚相談所。
婚活パーティー。
友人紹介。
街コン。
それぞれ市場が違う。
求められる能力も違う。
例えば相談所向きの人がいる。
逆にアプリ向きの人もいる。
しかし多くの人は、
最初に選んだ場所に固執する。
半年成果が出なくても続ける。
一年成果が出なくても続ける。
そして疲弊する。
本当に問題なのは本人ではなく、
市場との相性かもしれないのに。
五つ目は、
条件設定
である。
これは非常に重要だ。
そして非常に難しい。
なぜなら感情が絡むからだ。
誰だって良い相手と結婚したい。
当然である。
しかし市場原理は存在する。
需要と供給も存在する。
だから、
理想と現実のバランスが必要になる。
ここで言いたいのは、
妥協しろという話ではない。
むしろ逆だ。
本当に大切な条件を見極めろという話である。
例えば、
年齢にはこだわる。
しかし価値観にはこだわらない。
これは危険かもしれない。
顔にはこだわる。
しかし人間性にはこだわらない。
これも危険かもしれない。
逆に、
人生観。
金銭感覚。
家族観。
子育て観。
こうした本質条件を大切にする。
すると意思決定の質は上がる。
つまり条件設定もまた、
イシュー思考の対象なのである。
逆に、
解く価値が低い問題も存在する。
例えば、
LINEの返信速度。
絵文字の数。
初回デートの細かな会話テクニック。
脈ありサインの分析。
女性心理の暗記。
もちろん全く無意味ではない。
しかし優先順位は高くない。
なぜなら、
写真改善の方がインパクトが大きいからだ。
出会いの母数増加の方が効果が大きいからだ。
市場選択の見直しの方が成果につながるからだ。
つまり、
小さな最適化よりも、
大きな改善を先にやるべきなのである。
ここで婚活における本質的な問いを一つ提示したい。
それは、
「この行動は成果を何倍にする可能性があるか?」
という問いである。
例えば、
LINE術を学ぶ。
成果は1.05倍になるかもしれない。
会話術を学ぶ。
1.1倍になるかもしれない。
しかし、
写真改善。
これは2倍、3倍になる可能性がある。
体型改善もそうだ。
市場変更もそうだ。
つまり重要なのは、
努力量ではなくレバレッジなのである。
優秀な経営者は、
売上を1%上げる施策ではなく、
売上を2倍にする施策を探す。
優秀な投資家は、
細かな節約ではなく、
資産形成に効く大きな意思決定を重視する。
婚活も同じだ。
成果を大きく左右する変数を探す。
そこに集中する。
それ以外は後回しにする。
『イシューからはじめよ』の核心は、
「解く価値のある問題に集中すること」
にある。
婚活も同じだ。
全てを頑張る必要はない。
全てを改善する必要もない。
重要なのは、
本当に成果を左右する問題を見つけること。
そしてそこに時間とお金とエネルギーを集中すること。
婚活で人生が変わる人は、
努力家だから成功するのではない。
重要な問題を見抜くから成功するのである。
そしてそれこそが、
婚活におけるイシュー思考の真骨頂なのだ。
第8章 優秀な人ほど婚活で迷子になる理由
ここまで読んできた人の中には、
少し不思議に感じている人もいるかもしれない。
なぜなら、ここまでの話を素直に受け入れるなら、
本来は優秀な人ほど婚活で成果を出しやすいはずだからだ。
問題を特定する。
仮説を立てる。
検証する。
改善する。
これはまさに仕事で成果を出す人が得意とするプロセスである。
にもかかわらず現実を見ると、
高学歴の人。
大企業勤務の人。
年収の高い人。
論理的思考力の高い人。
そうした人が婚活で苦戦しているケースは少なくない。
なぜだろうか。
実はそこにもイシューがある。
それは、
優秀さそのものが婚活のボトルネックになることがある
という事実である。
これはかなり面白い現象だ。
まず理解してほしい。
仕事と婚活は似ている部分もあるが、
決定的に違う部分もある。
仕事では、
論理が強い。
正しさが評価される。
成果が数字で出る。
再現性がある。
しかし婚活は違う。
相手も人間である。
感情がある。
好みがある。
タイミングがある。
偶然もある。
つまり、
完全な論理ゲームではない。
ここで優秀な人ほど苦しむ。
なぜなら、
仕事で成功した思考法がそのまま通用しないからである。
例えば仕事ができる人ほど、
情報を集める。
分析する。
比較する。
検討する。
これは素晴らしい能力だ。
しかし婚活では、
これが暴走することがある。
例えばマッチングアプリで一人と会う。
すると考え始める。
本当にこの人で良いのだろうか。
もっと良い人がいるのではないか。
価値観は合っているだろうか。
将来性はどうだろうか。
相性はどうだろうか。
年収は。
学歴は。
家族構成は。
居住地は。
考える。
また考える。
さらに考える。
そして決められない。
これは経営学でいう分析麻痺に近い。
分析そのものが目的になってしまう状態である。
本来、分析は意思決定のためにある。
しかし分析好きな人は、
分析することが快感になる。
婚活でも同じだ。
プロフィールを読む。
診断を受ける。
動画を見る。
比較する。
検討する。
しかし行動しない。
会わない。
決めない。
前に進まない。
こうして時間だけが過ぎていく。
婚活市場で実際によく起きる現象がある。
それは、
普通の人の方が先に結婚する
という現象だ。
もちろん全員ではない。
しかし少なくない。
なぜか。
決断するからである。
ある程度会う。
ある程度話す。
相性が悪くない。
価値観も大きくズレていない。
なら付き合ってみる。
こういう判断ができる。
一方で優秀な人は、
決めきれない。
もっと最適解がある気がする。
もっと相性の良い人がいる気がする。
もっと条件の良い人がいる気がする。
その結果、
選び続ける。
そして時間だけが経過する。
これは非常に皮肉な話である。
なぜなら仕事では、
最適解を探す能力が武器だからだ。
しかし婚活では、
最適化しすぎることが毒になる。
例えば転職なら比較できる。
年収。
福利厚生。
勤務地。
仕事内容。
ある程度定量化できる。
しかし結婚相手は違う。
人間だからだ。
人間は数字では測れない。
一緒にいて落ち着く。
安心できる。
自然体でいられる。
こうした要素はエクセルで管理できない。
ところが優秀な人ほど、
無意識にエクセル化しようとする。
そして迷子になる。
次に多いのが、
完璧主義である。
これは婚活においてかなり危険な特性だ。
例えば、
もっと痩せてから活動しよう。
もっと年収を上げてから活動しよう。
もっと自信がついてから活動しよう。
もっと話せるようになってから活動しよう。
こうして準備が続く。
しかし考えてほしい。
いつ完成するのだろうか。
人間は永遠に未完成である。
だから完璧を待っていると、
永遠に始まらない。
実際、婚活で成果を出す人は、
意外と雑である。
もちろん良い意味でだ。
70点で動く。
80点で会う。
失敗したら改善する。
また会う。
また改善する。
この繰り返しである。
一方で完璧主義者は、
100点を待つ。
そして動かない。
結果として経験値が増えない。
婚活において経験値は極めて重要だ。
会ってみないと分からないことがある。
付き合ってみないと分からないことがある。
結婚を考えてみないと分からないことがある。
だから動かなければならない。
さらに優秀な人ほど陥りやすい罠がある。
それは、
婚活を理解した気になること
である。
本を読む。
動画を見る。
記事を読む。
知識は増える。
しかし知識と経験は違う。
例えば野球本を100冊読んでも、
バッティングは上達しない。
実際に打席に立たなければならない。
婚活も同じだ。
女性心理を学んでも、
実際に会わなければ意味がない。
コミュニケーション理論を学んでも、
実際に話さなければ意味がない。
ところが知的能力の高い人ほど、
理解することで安心してしまう。
ここが落とし穴なのである。
そしてもう一つ。
優秀な人ほど、
失敗を嫌う。
これは当然である。
これまで成功体験が多かったからだ。
勉強もできた。
仕事もできた。
昇進もした。
評価もされた。
だから失敗に慣れていない。
しかし婚活は違う。
断られる。
既読無視される。
交際終了になる。
理不尽なことも起きる。
努力が報われないこともある。
つまり、
失敗が前提の世界なのである。
ここで心が折れる。
しかし成果を出す人は考え方が違う。
失敗を失敗だと思っていない。
データだと思っている。
学習機会だと思っている。
改善材料だと思っている。
だから前に進める。
ここは研究者に近い。
実験が失敗した。
ではなく、
新しいデータが取れた。
そう考える。
婚活もその方がうまくいく。
ここまで読んで気づいた人もいるだろう。
優秀な人が婚活で苦戦する理由は、
能力不足ではない。
むしろ逆だ。
能力が高いから苦戦するのである。
分析しすぎる。
比較しすぎる。
考えすぎる。
最適化しすぎる。
完璧を求めすぎる。
だから動けなくなる。
『イシューからはじめよ』の世界では、
重要なのは考えることではない。
考えるべきことを考えることである。
婚活も同じだ。
分析するなとは言わない。
比較するなとも言わない。
しかし、
分析しすぎるな。
比較しすぎるな。
最適化しすぎるな。
ということだ。
なぜなら婚活は研究ではなく実践だからである。
婚活で成果を出す人は、
実は特別な人ではない。
考えたら動く。
仮説を立てたら試す。
失敗したら修正する。
また試す。
このサイクルを回しているだけである。
そして多くの場合、
優秀な人に本当に必要なのは、
もっと賢くなることではない。
もっと行動することなのである。
婚活において最大の敵は、
能力不足ではない。
考えすぎることである。
そしてその事実を受け入れた瞬間から、
婚活は再び前に進み始めるのである。
第8章 優秀な人ほど婚活で迷子になる理由
ここまで読んできた人の中には、
少し不思議に感じている人もいるかもしれない。
なぜなら、ここまでの話を素直に受け入れるなら、
本来は優秀な人ほど婚活で成果を出しやすいはずだからだ。
問題を特定する。
仮説を立てる。
検証する。
改善する。
これはまさに仕事で成果を出す人が得意とするプロセスである。
にもかかわらず現実を見ると、
高学歴の人。
大企業勤務の人。
年収の高い人。
論理的思考力の高い人。
そうした人が婚活で苦戦しているケースは少なくない。
なぜだろうか。
実はそこにもイシューがある。
それは、
優秀さそのものが婚活のボトルネックになることがある
という事実である。
これはかなり面白い現象だ。
まず理解してほしい。
仕事と婚活は似ている部分もあるが、
決定的に違う部分もある。
仕事では、
論理が強い。
正しさが評価される。
成果が数字で出る。
再現性がある。
しかし婚活は違う。
相手も人間である。
感情がある。
好みがある。
タイミングがある。
偶然もある。
つまり、
完全な論理ゲームではない。
ここで優秀な人ほど苦しむ。
なぜなら、
仕事で成功した思考法がそのまま通用しないからである。
例えば仕事ができる人ほど、
情報を集める。
分析する。
比較する。
検討する。
これは素晴らしい能力だ。
しかし婚活では、
これが暴走することがある。
例えばマッチングアプリで一人と会う。
すると考え始める。
本当にこの人で良いのだろうか。
もっと良い人がいるのではないか。
価値観は合っているだろうか。
将来性はどうだろうか。
相性はどうだろうか。
年収は。
学歴は。
家族構成は。
居住地は。
考える。
また考える。
さらに考える。
そして決められない。
これは経営学でいう分析麻痺に近い。
分析そのものが目的になってしまう状態である。
本来、分析は意思決定のためにある。
しかし分析好きな人は、
分析することが快感になる。
婚活でも同じだ。
プロフィールを読む。
診断を受ける。
動画を見る。
比較する。
検討する。
しかし行動しない。
会わない。
決めない。
前に進まない。
こうして時間だけが過ぎていく。
婚活市場で実際によく起きる現象がある。
それは、
普通の人の方が先に結婚する
という現象だ。
もちろん全員ではない。
しかし少なくない。
なぜか。
決断するからである。
ある程度会う。
ある程度話す。
相性が悪くない。
価値観も大きくズレていない。
なら付き合ってみる。
こういう判断ができる。
一方で優秀な人は、
決めきれない。
もっと最適解がある気がする。
もっと相性の良い人がいる気がする。
もっと条件の良い人がいる気がする。
その結果、
選び続ける。
そして時間だけが経過する。
これは非常に皮肉な話である。
なぜなら仕事では、
最適解を探す能力が武器だからだ。
しかし婚活では、
最適化しすぎることが毒になる。
例えば転職なら比較できる。
年収。
福利厚生。
勤務地。
仕事内容。
ある程度定量化できる。
しかし結婚相手は違う。
人間だからだ。
人間は数字では測れない。
一緒にいて落ち着く。
安心できる。
自然体でいられる。
こうした要素はエクセルで管理できない。
ところが優秀な人ほど、
無意識にエクセル化しようとする。
そして迷子になる。
次に多いのが、
完璧主義である。
これは婚活においてかなり危険な特性だ。
例えば、
もっと痩せてから活動しよう。
もっと年収を上げてから活動しよう。
もっと自信がついてから活動しよう。
もっと話せるようになってから活動しよう。
こうして準備が続く。
しかし考えてほしい。
いつ完成するのだろうか。
人間は永遠に未完成である。
だから完璧を待っていると、
永遠に始まらない。
実際、婚活で成果を出す人は、
意外と雑である。
もちろん良い意味でだ。
70点で動く。
80点で会う。
失敗したら改善する。
また会う。
また改善する。
この繰り返しである。
一方で完璧主義者は、
100点を待つ。
そして動かない。
結果として経験値が増えない。
婚活において経験値は極めて重要だ。
会ってみないと分からないことがある。
付き合ってみないと分からないことがある。
結婚を考えてみないと分からないことがある。
だから動かなければならない。
さらに優秀な人ほど陥りやすい罠がある。
それは、
婚活を理解した気になること
である。
本を読む。
動画を見る。
記事を読む。
知識は増える。
しかし知識と経験は違う。
例えば野球本を100冊読んでも、
バッティングは上達しない。
実際に打席に立たなければならない。
婚活も同じだ。
女性心理を学んでも、
実際に会わなければ意味がない。
コミュニケーション理論を学んでも、
実際に話さなければ意味がない。
ところが知的能力の高い人ほど、
理解することで安心してしまう。
ここが落とし穴なのである。
そしてもう一つ。
優秀な人ほど、
失敗を嫌う。
これは当然である。
これまで成功体験が多かったからだ。
勉強もできた。
仕事もできた。
昇進もした。
評価もされた。
だから失敗に慣れていない。
しかし婚活は違う。
断られる。
既読無視される。
交際終了になる。
理不尽なことも起きる。
努力が報われないこともある。
つまり、
失敗が前提の世界なのである。
ここで心が折れる。
しかし成果を出す人は考え方が違う。
失敗を失敗だと思っていない。
データだと思っている。
学習機会だと思っている。
改善材料だと思っている。
だから前に進める。
ここは研究者に近い。
実験が失敗した。
ではなく、
新しいデータが取れた。
そう考える。
婚活もその方がうまくいく。
ここまで読んで気づいた人もいるだろう。
優秀な人が婚活で苦戦する理由は、
能力不足ではない。
むしろ逆だ。
能力が高いから苦戦するのである。
分析しすぎる。
比較しすぎる。
考えすぎる。
最適化しすぎる。
完璧を求めすぎる。
だから動けなくなる。
『イシューからはじめよ』の世界では、
重要なのは考えることではない。
考えるべきことを考えることである。
婚活も同じだ。
分析するなとは言わない。
比較するなとも言わない。
しかし、
分析しすぎるな。
比較しすぎるな。
最適化しすぎるな。
ということだ。
なぜなら婚活は研究ではなく実践だからである。
婚活で成果を出す人は、
実は特別な人ではない。
考えたら動く。
仮説を立てたら試す。
失敗したら修正する。
また試す。
このサイクルを回しているだけである。
そして多くの場合、
優秀な人に本当に必要なのは、
もっと賢くなることではない。
もっと行動することなのである。
婚活において最大の敵は、
能力不足ではない。
考えすぎることである。
そしてその事実を受け入れた瞬間から、
婚活は再び前に進み始めるのである。
第9章 婚活の上位イシューを考える
ここまでの章では、
婚活は問題解決活動である
ボトルネックを特定するべきである
市場を理解するべきである
犬の道を避けるべきである
仮説と検証を回すべきである
解く価値のある問題に集中するべきである
という話をしてきた。
そしておそらく、多くの読者はこう考えているだろう。
「なるほど。婚活とはかなり知的な活動なんだな」
それはその通りである。
しかし、ここで一つ大きな問題がある。
それは、
婚活そのものが、本当に解くべき問題なのか?
という問いである。
実はこれこそが、本章で扱うテーマだ。
婚活をしている人の多くは、
婚活という問題の中に入り込みすぎている。
目の前のマッチング。
目の前のデート。
目の前のお断り。
目の前の条件。
目の前の結婚。
そればかりを見ている。
しかし本来、
婚活は人生の一部分に過ぎない。
つまり婚活には、
さらに上位のイシューが存在するのである。
『イシューからはじめよ』では、
本質的な問いを見つけることが重要だと語られる。
婚活においても同じだ。
例えば、
「どうやって結婚するか」
という問いがある。
これは重要である。
しかしその上には、
「なぜ結婚したいのか」
という問いが存在する。
さらにその上には、
「どんな人生を送りたいのか」
という問いが存在する。
そして多くの人は、
この上位イシューを考えないまま婚活をしている。
だから迷子になる。
例えば、
結婚したいと言う人がいる。
理由を聞く。
すると、
「年齢的にそろそろ」
「周りが結婚しているから」
「親が心配しているから」
こうした答えが返ってくることがある。
もちろんそれも理由の一つだろう。
しかし本当にそれだけなのだろうか。
もし結婚そのものが目的になっているなら危険である。
なぜなら結婚はゴールではないからだ。
結婚は人生のスタート地点の一つである。
つまり、
結婚した後の人生を考えなければならない。
ここで考えてほしい。
あなたはなぜ結婚したいのだろうか。
寂しいからだろうか。
家族が欲しいからだろうか。
子供が欲しいからだろうか。
老後が不安だからだろうか。
人生を共有する相手が欲しいからだろうか。
理由は人それぞれで良い。
しかし重要なのは、
それを自覚していることである。
ここが曖昧なまま婚活すると危険だ。
なぜなら判断基準がなくなるからである。
例えば、
年収1000万円の人と結婚する。
しかし仕事ばかりで家庭にいない。
一方で、
年収600万円だが家族との時間を大切にする人がいる。
どちらが良いのだろうか。
正解はない。
しかし、
何を求める人生なのか
によって答えは変わる。
つまり、
婚活の意思決定は人生設計から逆算しなければならないのである。
これはキャリア選択に似ている。
例えば、
「年収を上げたい」
という目標だけでは不十分だ。
どんな働き方をしたいのか。
どんな人生を送りたいのか。
何を大切にしたいのか。
そこが決まって初めて、
転職先が決まる。
婚活も全く同じだ。
どんな家庭を作りたいのか。
どんな夫婦関係を築きたいのか。
どんな老後を送りたいのか。
これが先なのである。
特に重要なのが、
子供についての考え方だ。
これは婚活における巨大な上位イシューである。
子供が欲しいのか。
欲しくないのか。
何人欲しいのか。
教育はどうするのか。
共働きなのか。
専業なのか。
こうした価値観は、
結婚後の人生を大きく左右する。
にもかかわらず、
交際が進んでから考える人がいる。
これは危険だ。
なぜなら、
根本価値観の不一致だからである。
また、
仕事についても考えなければならない。
婚活中は、
どうしても相手選びばかりに意識が向く。
しかし本来重要なのは、
結婚後の生活である。
例えば、
転勤はあるのか。
共働き希望なのか。
家事分担はどうするのか。
育児はどうするのか。
介護はどうするのか。
こうした問題は、
恋愛感情だけでは解決できない。
人生設計が必要になる。
婚活市場を見ていると、
条件ばかり見ている人がいる。
年齢。
年収。
身長。
学歴。
顔。
もちろん重要である。
しかし、
それらは本当に上位イシューなのだろうか。
例えば、
一緒にいて安心できる。
価値観が近い。
話し合いができる。
人生観が似ている。
こうした要素の方が、
長期的には重要かもしれない。
ところが条件ばかり見ていると、
本質を見失う。
これは企業買収にも似ている。
優秀な経営者は、
売上だけを見ない。
利益だけも見ない。
企業文化を見る。
経営理念を見る。
組織を見る。
なぜか。
長期的な価値を見ているからだ。
婚活も同じである。
目先のスペックだけでなく、
長期的な相性を見る必要がある。
そして最後に考えてほしい問いがある。
それは、
あなたにとって結婚とは何か
という問いである。
世間の答えはいらない。
親の答えもいらない。
友人の答えもいらない。
あなた自身の答えである。
安心なのか。
挑戦なのか。
家族なのか。
共同経営なのか。
人生のパートナーなのか。
ここを考える。
すると婚活の景色が変わる。
実は婚活で苦しむ人の中には、
婚活が問題なのではなく、
人生設計が曖昧な人が少なくない。
だから迷う。
だから決められない。
だから条件がぶれる。
だから疲れる。
逆に、
人生設計が明確な人は強い。
どんな相手が合うのか分かる。
何を優先するべきか分かる。
何を捨てるべきか分かる。
意思決定が速い。
だから成果が出る。
ここまで本書では、
婚活という問題について語ってきた。
しかし本当は、
婚活よりも大きな問題が存在する。
それが、
人生そのものである。
婚活とは人生の手段である。
目的ではない。
だからこそ最後は、
婚活の上位イシューを考えなければならない。
「どうやって結婚するか」
ではなく、
「どんな人生を送りたいのか」。
その問いに向き合った時、
婚活は単なる相手探しではなくなる。
人生設計のプロジェクトへと変わるのである。
第10章 婚活を通じて人生を経営する
本書ではここまで、
婚活を「問題解決活動」として捉えてきた。
イシューを見極める。
ボトルネックを特定する。
市場を理解する。
犬の道を避ける。
仮説と検証を回す。
解く価値のある問題に集中する。
そして人生という上位イシューを考える。
こうして振り返ってみると、あることに気づく。
それは、
婚活とは人生そのものの縮図である
ということだ。
婚活の中で起きる問題のほとんどは、
実は人生全般にも当てはまる。
だから婚活を真剣にやると、
結婚相手が見つかるだけではない。
人生の意思決定能力そのものが鍛えられる。
私はこれが婚活の本当の価値だと思っている。
世の中には、
人生を偶然に任せる人がいる。
なんとなく進学する。
なんとなく就職する。
なんとなく転職する。
なんとなく結婚する。
なんとなく生きる。
もちろんそれでも人生は進む。
しかし、
その結果に満足できるかどうかは別問題である。
一方で、
人生を経営する人がいる。
自分の時間をどう使うか。
自分のお金をどう使うか。
どんな人と付き合うか。
何を優先し、何を捨てるか。
意識的に決める。
婚活とは、
まさにこの人生経営の練習なのである。
経営という言葉を聞くと、
会社経営を想像する人が多い。
しかし本来、
人生そのものが一つの経営体である。
あなたという会社がある。
時間という資産がある。
お金という資産がある。
健康という資産がある。
人間関係という資産がある。
そして限られた資源の中で、
最大の成果を出そうとしている。
これは完全に経営である。
婚活も同じだ。
例えば時間。
婚活をしていると、
時間の価値を嫌でも考えさせられる。
一回のデート。
一回の面談。
一回の申し込み。
全てに時間がかかる。
だから問われる。
この時間の使い方は正しいのか。
本当に会うべき相手なのか。
もっと良い使い方はないのか。
つまり婚活は、
時間管理能力を鍛えるのである。
お金も同じだ。
婚活ではお金がかかる。
相談所費用。
写真撮影。
美容費。
服装代。
デート代。
交通費。
すると考える。
どこに投資するべきか。
どこは削るべきか。
ここでも経営感覚が必要になる。
例えば、
月に3万円のサブスクを何となく続ける。
しかし写真撮影代3万円は高いと思う。
これは本当に合理的だろうか。
成果につながる投資は何か。
ここを考える力が鍛えられる。
健康も重要だ。
婚活をしていると、
健康の価値がよく分かる。
太る。
疲れる。
肌が荒れる。
睡眠不足になる。
するとパフォーマンスが落ちる。
マッチング率も落ちる。
印象も悪くなる。
つまり健康は婚活の土台なのである。
そしてこれは人生も同じだ。
健康を失えば、
仕事も。
趣味も。
家族も。
人生そのものも苦しくなる。
婚活は健康の重要性を教えてくれる。
人間関係についても同じである。
婚活では、
様々な人と出会う。
価値観の違う人。
考え方の違う人。
人生経験の違う人。
その中で学ぶ。
自分は何を大切にしているのか。
何が許せないのか。
どんな人といると幸せなのか。
これは単に結婚相手探しではない。
自己理解でもある。
ここで改めて考えてみてほしい。
婚活で成果が出るとは何だろうか。
結婚することだろうか。
もちろん一つの成果ではある。
しかし私はそれだけではないと思う。
もし婚活を通じて、
自分の価値観を理解できたなら。
人生設計を考えられたなら。
健康習慣が身についたなら。
外見改善ができたなら。
コミュニケーション能力が上がったなら。
意思決定能力が鍛えられたなら。
それもまた大きな成果ではないだろうか。
実際、
婚活を真剣にやった人は強い。
なぜなら現実と向き合ったからだ。
市場と向き合ったからだ。
自分の弱さと向き合ったからだ。
理想と現実のギャップと向き合ったからだ。
これらは決して楽な作業ではない。
しかし、
その経験は人生のあらゆる場面で活きる。
転職でも。
起業でも。
投資でも。
子育てでも。
人間関係でも。
役に立つ。
『イシューからはじめよ』の本質は、
重要な問題を見極めることにある。
人生も同じだ。
人生には無数の問題がある。
しかし全てを解くことはできない。
だから選ばなければならない。
何を大切にするのか。
何を諦めるのか。
どこに時間を使うのか。
どこにお金を使うのか。
どこに人生を賭けるのか。
婚活はその訓練の場なのである。
ここまで読んできたあなたは、
もう気づいているだろう。
本書は婚活の本でありながら、
実は人生の本でもある。
なぜなら婚活は人生の縮図だからだ。
問題設定。
意思決定。
仮説思考。
市場理解。
資源配分。
全て人生そのものだからである。
婚活をしていると、
つい目先の結果ばかり見てしまう。
マッチングしたか。
デートできたか。
交際できたか。
結婚できたか。
しかし本当に重要なのは、
その過程で何を学んだかである。
どんな意思決定をしたかである。
どんな人間になったかである。
もし婚活を通じて、
人生を主体的に考えるようになったなら。
自分自身を深く理解できたなら。
本当に大切なものを見つけられたなら。
その時点で、
あなたはすでに大きな成果を手にしている。
たとえまだ結婚していなかったとしても。
婚活は恋愛活動ではない。
婚活は結婚活動ですらない。
婚活とは、
人生を経営する力を身につけるための実践の場である。
そして人生を経営するとは、
限られた資源の中で、
自分にとって本当に重要なものを選び取ることである。
だから最後にもう一度伝えたい。
婚活もイシューからはじめよう。
そして婚活の先にある、
あなた自身の人生という最大のイシューに向き合ってほしい。
その問いに向き合うことこそが、
本当の意味での婚活のゴールなのである。
おわりに 婚活最大の失敗は「問い」を間違えることである
ここまで長い文章を読んでいただき、本当にありがとうございました。
本書では、
「婚活もイシューからはじめよ」
というテーマのもと、
婚活を恋愛論ではなく問題解決論として考えてきた。
おそらく世の中の婚活記事の多くは、
どうすればモテるか。
どうすればLINEが続くか。
どうすれば初回デートが成功するか。
そんな話をしている。
もちろん、それらも大切だ。
しかし私は、それよりももっと大切なことがあると思っている。
それは、
何を解決すべきなのかを見極めること
である。
婚活で苦しむ人は少なくない。
真面目な人ほど苦しむ。
努力家ほど苦しむ。
勉強熱心な人ほど苦しむ。
なぜなら、
努力の方向を間違えていることがあるからだ。
写真を改善するべき人がLINE術を学ぶ。
行動量を増やすべき人が自己分析を続ける。
市場選択を見直すべき人が会話術を研究する。
条件設定を見直すべき人が恋愛心理学を学ぶ。
そして成果が出ない。
疲れる。
自信を失う。
婚活が嫌になる。
しかし、それは能力不足ではない。
魅力不足でもない。
多くの場合、
問題設定のミスなのである。
『イシューからはじめよ』という本が長年読み継がれている理由は、
単なる仕事術の本ではないからだ。
人生の本質を突いているからだ。
私たちは普段、
答えばかり探している。
しかし本当に重要なのは、
答えではない。
問いである。
間違った問いに対する完璧な答えより、
正しい問いに対する不完全な答えの方が価値がある。
婚活も同じだ。
本書で何度も繰り返してきたが、
婚活とは恋愛活動ではない。
婚活とは問題解決活動である。
そしてさらに言えば、
婚活とは人生設計活動である。
どんな人生を送りたいのか。
どんな家庭を作りたいのか。
どんな人と生きていきたいのか。
何を大切にしたいのか。
何を諦めるのか。
婚活とは、
それらを考えるプロセスなのである。
だから私は、
婚活をしている人に対して、
「もっと頑張れ」
とは言いたくない。
むしろ逆だ。
一度立ち止まってほしい。
そして考えてほしい。
本当に解くべき問題は何なのか。
本当のボトルネックは何なのか。
今やっている努力は、
成果につながる努力なのか。
それとも犬の道なのか。
まずそこを考えてほしい。
もしあなたが今、
婚活に疲れているなら。
もしあなたが今、
頑張っているのに成果が出ないと感じているなら。
まずは自分を責めるのをやめてほしい。
そして問いを変えてみてほしい。
「なぜ自分はダメなのか」
ではなく、
「本当に解くべき問題は何なのか」
と。
その瞬間から、
婚活は苦しい精神論ではなくなる。
改善可能なプロジェクトになる。
知的な挑戦になる。
そして人生を前へ進める活動になる。
最後に、あなたへ一つだけ問いを残して終わりたい。
あなたは、
結婚したいのだろうか。
それとも、
幸せになりたいのだろうか。
この二つは似ているようで違う。
結婚は手段である。
幸せな人生が目的である。
だから婚活において本当に大切なのは、
結婚することではない。
自分にとって幸せな人生を実現することなのである。
そのために結婚が必要なら結婚すればいい。
そのために相手を探すなら探せばいい。
順番を間違えてはいけない。
婚活最大の失敗は、
断られることではない。
交際終了になることでもない。
成婚が遅れることでもない。
婚活最大の失敗は、
解くべき問いを間違えたまま走り続けることである。
だからこそ、
婚活もイシューからはじめよう。
答えを探す前に問いを磨こう。
努力する前に問題を定義しよう。
そして婚活の先にある、
あなた自身の人生という最大のテーマに向き合おう。
その問いに向き合うことこそが、
本当の意味での婚活の成功なのだから。


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